本命・加藤、馬術五輪代表落選で家族乱入(日刊スポーツ)

 日本馬術連盟は15日、アテネ五輪馬術競技障害飛越の代表4人を発表。渡辺祐香(36=ヤマハつま恋乗馬倶楽部)が、同種目としては、日本初の女性五輪代表となった。しかし、昨年6月にドイツで行われた予選会で出場枠獲得に貢献した加藤麻理子(31)が落選し、家族が会見場に乱入。代表決定を白紙に戻さなければ、日本スポーツ仲裁機構(JSAA)に提訴すると連盟に迫った。
 日本初の五輪障害飛越女性騎手誕生の瞬間が、提訴騒動にまで飛び火した。代表発表会見後、日本馬術連盟で約2時間、加藤の父晴彦さん、母、姉、加藤の所属事務所のマネジャーの4人が、代表白紙撤回を訴えた。異例の話し合いの後、連盟の渡辺弘常務理事は「平行線。主張が食い違っている。最後は提訴すると言われた」と話し合いが決裂したことを明かした。
 前代未聞の会見だった。安岡嘉彦理事長、東良弘一代表監督が発表を終わり、質疑応答に移った途端、日本体育協会の会見場にいた加藤のマネジャーが手を上げた。「加藤の落選した理由を教えてほしい」。終了間際にも「成績は加藤の方が上。落ちる理由は見当たらないはずだが」とたたみかけた。
 記者会見で、選手のマネジャーが質問するなど、異例中の異例。しかし、それでは終わらなかった。会見終了と同時に、待機していた晴彦さんを筆頭に、母、姉の家族3人が安岡理事長、東良監督に突進した。「おかしいだろう。説明してくれ」。血相を変え詰め寄り「不正だよ。策略だ」と、報道陣にも訴えた。
 障害飛越は、五輪出場枠を獲得後、9人を代表候補に選んだ。今年の5月から欧州の数大会を代表選考試合に指定し、この日、代表を選んだ。東良監督は渡辺選出理由を「経験も豊富。最も難しい競技大会で入賞もしている」と話した。安岡理事長は「加藤は、馬と人の一体感を見て、総合的に及ばなかった」と落選理由を述べた。
 馬術は、バルセロナ五輪の時も、代表選考をめぐって裏金が飛び交い、役員が総辞職した暗い過去を持つ。今回は初の女性代表という華やかな話題で注目されていただけに、後味の悪い代表発表となった。【吉松忠弘】

恥ずかしい。同じ日本人かと思うと腹が立つ。選ばれた選手がかわいそう。