「4日前に殺すつもりだった」と供述

 補導された同級生の女児(11)が「(事件の)4日前に殺すつもりだった」と供述。この時断念した理由は「(カッターナイフを使う)工作の(授業)時間がなかった」と説明している。関係者によると事件の10日ほど前、女児が髪を切っており、髪形などについて、インターネットの掲示板に書き込みがあったという。また女児が自分のホームページ(HP)に同級生への激しい憤りなどをつづっていたことも分かった。
 また県警のこれまでの調べで、女児は「(学習ルームの)カーテンを閉めて、椅子に座らせて切りつけた」と殺害状況を話しているという。
 女児は自分のカッターナイフで怜美さんを切りつけた後、着衣などに大量の血を付着させたまま6年生の教室に戻った。女児はカッターを持ち、激しく動揺した様子で、担任教諭がカッターを取り上げたという。佐世保署員が現場に駆けつけた際には、カッターは学習ルームにあったといい、学校側が現場に置き直したとみられる。
 ◇クラス替えのない小さな「密室」の友人関係
 「うぜー(うっとおしい)クラス」。女児は、自分のホームページ(HP)に同級生たちへの激しい憤りをつづっていた。学年が上がってもクラス替えのない小さな「密室」の友人関係にもがいていたのか。
 「〇〇姫」女児らメール仲間は、互いの名前にこんな呼び名をつけてやりとりしていた。はた目には少女らしい仲良しの2人。女児は怜美さんのように授業参観でも進んで手を上げる快活なタイプだった。だが、教師の目には「非常に明るい半面、暗いところがある」と映った。
 <うぜークラス つーか私のいるクラスうざってー>。女児は昨年12月、自分のHPに気持ちをぶつけている。同級生たちをののしる言葉がさらに並ぶ。
 <下品な愚民や><喧嘩(けんか)売ってきて買ったら「ごめん」とか言って謝るヘタレ(根性なし)や><高慢でジコマン(自己満足)なデブス(デブでブス)や>
 女児は今年5月、HPで物語も書いている。題名は「BATTLE ROYALEー囁(ささや)きー」。残虐シーンが社会問題化した映画「バトル・ロワイアル」になぞらえ、同じクラスの中学生同士が、ただ一人の生き残りをかけて殺し合う。
 登場人物は男子18人、女子20人。1学級しかない大久保小の6年生と構成は全く同じだ。物語は一人の女子生徒だけが生き残ったところで終わる。女児はこう記している。<私は……殺し合い、なんて、人を奪うことは許されないので殺し合いなんてしません(何きれいごと吐いてるんだ)>
 女児は両親、兄弟らの5人家族。自宅は佐世保市郊外の農村部にある。休日には家族そろって車で遊びに出かけた。自営業の父親は病気がちで、母親はスーパー勤め。保護者の一人は「女児にはいろんなストレスがたまっていたのではないか」とみる。
 学校関係者は「女児は事件の1週間ほど前からいらいらして、他のクラスメートとも口げんかをしていた」と明かす。事件を知らされた父親は周囲に「ショックです。どうすればいいのか……」と漏らし、顔色をなくしたという。
 父母は佐世保児童相談所「子供は問題なく育っていた。成績もよく、頑張り屋だったが、なかなか自己主張できないところがあった」と話した。
捜査関係者は残酷な事件と女児の顔が結びつかない。 「かわいらしい、どこにでもいる普通の子で特別な感じはしない。本当の動機は仲の良かった2人にしかわからないかもしれない」
 ◇2ちゃんねるに補導女児の写真削除を要請
 長崎地方法務局は2日、事件発生直後からインターネットの掲示板「2ちゃんねる」に「補導された女児だ」と氏名や写真が掲載されたことが人権侵害に当たるとして、サイトの管理者に対し、書き込みや写真の削除を要請した。
 同法務局によると、具体的な氏名を挙げた書き込みや写真の掲載が、2日までに判明した分で25件あった。掲載された氏名は複数あったが、同法務局は「たとえ架空のものであっても加害者捜しを助長する」と判断し、具体名を挙げた書き込みすべての削除を求めた。問題の書き込みについては、県教委からも同法務局に、削除依頼の要請があった。

本当に11歳の女の子の考えることとは思えない。